ジャニオタになった女の子①
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今回はゆきちゃんについてではなく、わたしとゆきちゃんの共通のお友達、ねねちゃんのお話である。
ねねちゃん・わたし・ゆきちゃんは同じ高校、去年は三人とも同じクラスで仲良くやっていた。
とはいえ、それぞれ己の属するやんわりとしたグループがあったため三人で出かけたり遊んだりというのはなかった。
ねねちゃんは温和なおかつユーモアに長けている聞き上手で、みんなに頼られるお姉さん的な存在だ。
さらに趣味は洋画鑑賞、オペラやミュージカルを愛し、よくわたしの未知の英国俳優のことを色々教えてくれたりもした(誰が誰だか全然わからなかった)。
そんな彼女が、
なぜジャニーズに目覚めたのか?
______ゆきちゃんの登場である。
年明けからわたしとゆきちゃんは3ヶ月間の留学へ行っていた。
そこでゆきちゃんはわたしの手によって(後半は自ら)まんまとHey!Say!JUMPの沼にハマっていった。
立派な伊野尾担になって帰国した彼女の隣の席になったのが、そう、ねねちゃんだったのだ。
ねねちゃんはゆきちゃんが猛烈な西畑担であったことを知っていたため、そんな彼女が担当を降りたことに衝撃を受けていた。
「んで、伊野尾くんってどんな人なの?」
わたしが思うに、彼女のジャニオタライフはここがスタートだった。
周りを巻き込むタイプのオタク(本人談)のゆきちゃんは日夜伊野尾くんの魅力について語り、暇さえあれば伊野尾くんの画像をLINEに大量送信していた。
そんな日々が続いたある日、わたしはねねちゃんの衝撃的なツイートを目にした。
「わたしの目の保養ファイルに初めて日本人が…… 伊野尾くんかわいい…」
!?!?!?!?
何だって!?!?!?
「可愛い男の子は苦手なの」といっていたねねちゃんが!?!?!?
わたしが彼女たちのいるクラスを離れてわずか数週間、彼女の世界は大きなうねりを見せたのである。
ゆきちゃん「ねねちゃんがオチそう」
そういって彼女は日々ねねちゃんの脳内を伊野尾侵略していった。
その後ねねちゃんは順調に(?)成長していった。まるでわたしがHey!Say!JUMPをゆきちゃんに勧めた、あの時のように…
ある日わたしは、ゆきちゃんがねねちゃんにカラフトのパンフを貸し出している場面に遭遇した。
スムーズに接近し乱入。
「伊野尾くんかわいいよぉ…」
完全にオタクの目だ…と悟った。
ねねちゃんはもうオタクになっていたのである。
その後用事があったゆきちゃんはそこで帰ってしまったのだが、わたしとねねちゃんは学校のラウンジでしばらく話し込んだ。
伊野尾くんにオチたのはわかっていたので、わたしはねねちゃんにHey!Say!超絶魅力的JUMPをまるごと好きになってもらおうと思ったのだ。
デビューから今までのことをひとつずつ。
デビュー当時はメンバーたち自身も困惑するようなメンバー構成だったこと。
華々しくデビューしたのに伸び悩んだ時期があったこと。
メンバーをひとり失ったこと。
後輩グループの勢いに焦ったこと。
彼ら自身が事務所に立ち向かったこと。
そして、今やっとその輝きが世に溢れ出したこと。
わたしはたくさんたくさん、話した。
それをねねちゃんはずっと聞いてくれた。
「そんなグループだなんて知らなかった。なんか、見る目が変わった気がする。」
ねねちゃんはキラキラした目で言った。
やっぱり、素直に嬉しかった。
おじゃんぷを好きになってくれる人がこんなに増えるなんて…(号泣)(誰)
数日後わたしのもとにある一報が。
「Myojoを…買ってしまった…」
わたしとゆきちゃんは思わずガッツポーズをするのであった。
つづく。